狐兎の雑記帳

あまり歌えてない、歌ってみたの人の雑感。

旅立ちの日に

過日、職場に、別の場所に転勤していった同僚が挨拶に来ていた。以前から聞いていたことだったが、結婚を期に海外に住むことになったそうだ。

後輩だったけれど、私よりよっぽどしっかりしていた彼女は、海外に行くことに不安は?と問われて半々、と答えていた。

不安半分、期待半分だ、と。

不安を覚えるということは、現実をしっかりと見ている、ということだ。
言葉が通じない所に旅行に行くだけだって随分恐いことだし、しかも、このご時世だ。不安を持たないわけにはいかないだろう。現状を把握し、落ち着いて観察できているからこそ、困難を自覚されているのだろう。それは、彼女が移住するまでの予定を話していても伝わってきた。

しかし、期待も半分あるという。
期待があるということは、不安を解消していく目あてや手立てがある、ということだ。
それは、新しい生活を迎える人たちに、是非とも持ってもらいたい感覚だと感じた。
先行きに不安を感じるときは誰にだってあるだろう。その不安を乗り越えるために自分が何ができるのかを考え、予測し、対策をとることが、新しい生活への期待に繋がるのであろう。

幾つかの思い出話と、幾つかの将来のプランを笑顔で話して。最後に、以前よりも落ち着いてみえる所作で御辞儀をして旅立ってゆく同僚を、職場の皆で笑顔で見送ることができた。

願わくば、私が僅かでも関わることができた方たちが、事実を的確に把握した不安と、それを乗り越えられるだけの計画と期待をもって、新生活をはじめられますように。
彼女に限らず、すべての友人たちに対してそうでありますようにと。